PC-8801FH|電源ユニットのアルミ電解コンデンサ交換

PC-8801FH電源ユニットのアルミ電解コンデンサを交換して、コンデンサ液漏れによる故障を回避させる延命措置を行います。

なお、電源ユニットを開けると、高電圧のコンデンサによる感電の危険性や機器破損などのおそれがあります。 このページを参考にされて作業をなされて不利益を受けても私は何も責任を取れません。よろしくお願いいたします。

PC-8801FHの電源ユニット

 PC-8801FH|本体分解と電源ユニット取り出し

自作PCなどを組み立てるような方にはあまり参考にならないかもしれませんが、私のように自作PCを組んだ経験もなく、おっかなびっくり88ハチハチを分解するかたもいると思い、本体の分解から記録しておきます。

使い勝手の良いドライバーを用意して取り掛かります

PC-8801FH本体側面の4つのネジを外し、さらに背面の1つのネジを外して金属カバーをとります。

PC-8801FHの側面の金属ボディのビス PC-8801FHのバックパネル

金属カバーを外したら、さらにバックパネルの5つのネジ、側面の電源ボックスと金属ボディを固定している2つのネジを外してバックパネルをとり外します。この時、端子についている丸いプラカバーやRS232-C端子の金具がひっかかりますので注意して外します。今となってはこの端子類についているプラカバーも貴重ですね。

PC-8801FHのバックパネル PC-8801FHの電源ボックス固定ネジの位置

ここで横着してライザーカードを、固定されている金属部品ごと外します(慎重にやりたい方はすべてバラしてください)。

金属部品を固定しているのは2箇所のネジです。これを外し、ライザーカードの両端をもって引き抜きます。

PC-8801FHのライザーカードの金属部品のネジ位置その1 PC-8801FHのライザーカードの金属部品のネジ位置その2 PC-8801FHのライザーカードが固定金属部品ごと取れました

コード端子の取り外し

ここまで来ましたら、あとは電源ボックスから出ているコードの端子を外せば、電源ボックスを取り出せます。

以下の写真では見にくいですが、FDD(フロッピーディスクドライブ)1、2へのコード端子は引っ張るだけで外れます。電源ファンへのコードは指で押しながら接続を解除。本体基板への接続端子へアクセスするために、メイン基板からFDDへ接続されているフラットコードの端子も引き抜くだけで外せます。

電源ボックスからメイン基板へ接続されているライン端子の外し方がはじめわかりませんでした。

これは手前のベロのような部分を手前に引きながら奥側にソレイドをひっかけて上に引っ張ればはずれます。それでも外れなかったら、慎重にFDDとその下の金属カバーを外してからやってみましょう。

これで電源ユニットが取り外せます。

PC-8801FHの電源ボックスと接続されているライン端子箇所 PC-8801FHの電源ボックスからのコード接続端子 PC-8801FHの電源ボックス

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 PC-8801FH|電源ユニットの分解

感電しないために

PC-98DO+の修理|コンデンサ交換のページでも書きましたが、自分は一度コンセントに差した電源は1日以上置き、さらに分解しながら片側が絶縁された針金で、もし帯電していたら短絡するように基板裏に触れさせて作業をし、さらにマルチメーターで電圧を確認します。

このようなことで感電などの危険性を除けるのかどうかわかりませんが、自分はそうやっています。

電源ボックスには封印のテープがあります。この封印を解くというのはーーーー そう、自己責任でお願いします。

  PC-8801FHの電源ボックス

まず電源ボックスのファンを外し、さらに5本のネジをはずします。

電源ボックスが空きましたら、さらに電源基板を外します。

PC-8801FHの電源ユニットファン PC-8801FH電源ボックスを閉じている5つのネジ PC-8801FH電源ボックスの中身

電源スイッチとコネクタを外す

電源基板を取り外す前に電源スイッチとコネクタを取り外します。

電源スイッチの2本のネジを外し、2つのコネクタは、下側からソレイドやマイナス・ドライバーなどで、優しく丁寧にコジって外してください。

PC-8801FHの電源ユニットのスイッチ部分 PC-8801FH電源ボックスを閉じている5つのネジ

電源基板は電源ボックスカバーに、2つの樹脂製の部品と1箇所のカバーの溝に挟み込まれた上に、2本のネジと1つの樹脂製の部品で固定されています。

まず2本のネジを外して、樹脂製の固定具は上のポッチをラジオペンチなどで挟んだうえで基板を持ち上げれば外れます。基板を気持ち持ち上げて、基板の穴から樹脂部品のあたまを外した状態で、基板を横へずらす感じで外します。

PC-8801FH電源基板の固定箇所 電源基板を固定している樹脂部品の頭をペンチで挟む 電源基板を固定している樹脂部品の頭をペンチで挟んで持ち上げる 電源基板を電源ボックスから外したところ 電源基板をはさみこんで固定している樹脂部品と電源ボックスの金属部分

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 PC-8801FH|電源基板のコンデンサ交換

アルミ電解コンデンサの特定

PC-8801FH電源基板のアルミ電解コンデンサは、混み合って設置されていて表記が読み取りづらいのですが、特定していきます。

電源基板上のコンデンサ配置状況
  • C605 → 180V 560μF (M)105℃
  • C609 → 25V 47μF (M)105℃
  • C612 → 63V 22μF 105℃ KMC
  • C613 → 25V 470μF M 105℃
  • C651 → 16V 4700μF (M)105℃ KMC
  • C652 → 16V 4700μF (M)105℃ KMC
  • C653 → 10V 1000μF (M)105℃
  • C654 → 25V 2200μF (M)105℃
  • C655 → 25V 2200μF (M)105℃
  • C656 → 25V 220μF
  • C658 → 25V 220μF
  • C659 → 25V 47μF
  • C660 → 50V 10μF (M)105℃
  • C661 → 50V 0.47μF (M)

コンデンサの読み取りができましたら、置き換えるコンデンサを用意します。

「耐圧(V)、静電容量(μF)の数値が同じもの」を用意するのが理想ですが、もしなければ「静電容量(μF)を揃えて耐圧(V)の値を元々のものより大きなもの」を。静電容量が同じものがなければ、「静電容量が元々の値より少し大きなもの(耐圧も同じ値のものがない場合は、少し大きなもの)」を用意します。

自分の場合は「C605」の180V-560μFを、200V-560μFに置き換えただけで、それ以外は同じ数値のものを用意できました。

吸煙機を導入

じつはこの前PC-98DO+電源ユニットのコンデンサ交換をした時に、うっかりマスクするのを忘れて、2週間ほど咳がとまらなくなってしまったのです。そのため、HAKKOのFA-400という吸煙機を導入しました。

このFA-400のコンセントプラグは3極です。自宅のコンセントは3極に対応していないので、3極→2極の変換プラグを利用します。

吸煙機「HAKKO FA-400」 FA-400のコンセントプラグは3極なので、3極→2極の変換プラグを使います

半田ごてを使いコンデンサの除去

ではまずコンデンサの取り外しをします。

基板裏に出ているコンデンサの足のハンダにフラックスを塗り、はんだ吸い取り線とともに半田ごてを押し当てて、ハンダを除去して行きます。

この時、ハンダごての温度を350℃程に調整し、数秒ハンダに押し当てて吸いが悪ければ「追いハンダ」をして再度吸い取りを試みます。

ハンダ除去後にコンデンサを外すときも、スルーホールの破損を避けるために、見た目はハンダが綺麗に除去されていても、再度ハンダごてを当てたりしながら引っ張ります。

電源基板の取り外すコンデンサの足にフラックスを塗布 電源基板コンデンサの足のハンダを吸い取り線で除去 コンデンサ撤去後の電源基板その1 コンデンサ撤去後の電源基板その2電源基板から撤去したアルミ電解コンデンサ

基板の清掃

電源基板の裏側がベトベトです。これを綺麗にします。

フラックスクリーナーを使うのが一番がいいと思うのですが、経済的ではないので無水エタノールを併用しています。ざっと無水エタノールで拭いて、汚れがしつこいところはフラックスクリーナーで、といった具合です。

拭き取りには綿棒を使っていましたが、コンデンサの足に毛がひっかかり汚くなるので、爪楊枝や綿棒にキムワイプを小さく切ったものを巻きつけて、こまめに取り替えながら使っています。

電源基板洗浄につかう道具類 電源基板洗浄中 電源基板洗浄後その1 電源基板洗浄後その2

新しいコンデンサの半田付け

準備しておいたコンデンサを半田付けしていきます。

部品などで込み入っている電源基板ですので、奥まったところから極性に注意して半田付けします。

アルミ電解コンデンサの足の間隔よりも、基板上のスルーホールの間隔が広い場合があります。このときはコンデンサの足をラジオペンチなどで曲げる加工を施すのが、コンデンサの長寿命に貢献するそうです。コンデンサの足が収まる部分はゴムであり、幅のちがうスルーホールに無理やり差し込むと変な力がゴム部分にかかり液漏れしやすくなるそうです。

コンデンサーの脚の幅とスルーホールの間隔が合わない場合は加工する コンデンサーの脚の幅とスルーホールの間隔が合わない場合は加工する コンデンサーの脚の幅とスルーホールの間隔が合わない場合は加工する

脚の幅を整えたコンデンサをスルーホールに差し込み、開脚させて固定します。

スルーホール廻りにフラックスを塗布し、350℃程に加熱した半田ごてを、

1、小手先をスルーホールとコンデンサ脚に当てて加熱すること2秒ほど ↓
 2、糸はんだを送り込むこと1秒ほど ↓
 3、溶けた糸はんだ、スルーホール、コンデンサの脚をそのまま熱すること3秒ほど

という要領で半田付けしていきます。

コンデンサーの脚幅とスルーホールにフラックスを塗布する コンデンサーの脚とスルーホールに半田ごてをあてて熱する コンデンサーのはんだ付け完了 コンデンサーを交換した電源基板

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 PC-8801FH|電源ボックスの組戻しと動作確認

電源ボックスの組戻し

半田付けが終わったら、もう一度電源基板上の極性とコンデンサの極性があっているか確認し、電源ボックスを組戻し、さらにそれを88ハチハチ本体に組み戻します。

コンデンサー交換済みの電源基板を電源ボックスに組戻ます コンデンサー交換済みの電源基板を電源ボックスに組戻ます コンデンサー交換済みの電源ボックスをPC-88本体に組戻ます コンデンサー交換済みの電源基板を電源ボックスに組戻ます

動作確認

組み戻して、動作確認。無事動きました。

もし電源が入らない88ハチハチをお手持ちでしたら、電源ボックスのコンデンサを交換すれば動くかもしれません。今回は寿命を伸ばすために元々起動する電源のコンデンサ交換でしたので、ハンダ吸い取り線で比較的簡単に出来ました。

もし動作しない電源基板のコンデンサ交換でしたら、PC-98DO+の電源基板コンデンサ交換で自分がそうだったように、苦戦するかもしれません。コンデンサの液漏れなどでハンダが変質してしまうと、古いハンダ除去に苦労してしまう場合があります。

もし安全確実にコンデンサ交換したかったら、「ゴッドハンダ」さんに依頼したり、「ハニハニさん」にお願いした方がいいかもしれません。

組み戻したPC-8801FHでゲームソフトを起動

 ではみなさまも、よきレトロPCライフを。

2019.10

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