青木ヶ原樹海と鬼ケ岳登山|2021年5月|春の富士の裾野で遊ぶ

青木ヶ原樹海の中を走る東海道自然歩道や樹海遊歩道。富士の周りに配される峰々。

春の空気を満喫しようと、キャンプ場での一泊を絡めて、計画を立てました。

鬼ケ岳登山の途中での富士山の眺め

== 目次 ==

 1.アプローチ

富士急行線|河口湖駅へ

東京方面より中央線で、大月駅まで行き、富士急行線に乗り換えて、河口湖駅へ向かいます。

当日は日曜日で、富士急ハイランドへ向かうご家族用向けでしょうか、機関車トーマス仕様の車両でした。

日曜日の朝の車両は、登山者が結構いらっしゃって、予想外でした。

河口湖駅に向かう途中には富士山駅(旧・富士吉田駅)があり、停車した車内の眼前には雪をかぶった富士山が、という状況に、日曜の車輌内は暫しの撮影タイムとなりました。

なお翌日の月曜日の帰路では、帰宅する学生や主婦と思しき方々が中心の車内となり、彼ら彼女らは日常の風景に盛り上がることはなく、その落差も面白かったです。

機関車トーマス仕様の富士急行線 富士山駅付近の富士急行線車内から見た富士山

富士急バス

河口湖駅から周遊バスを使うことを予定していましたが、目的のバス乗り場がどこかわからず、目の前のバスの運転手さんに「精進湖入口ヘ行きたいのですが」と聞くと、〇〇番乗り場のバスですよ、と教えてくれました。

教えてもらったバスに乗り込み、精進湖入口に行くことを確認し、ふと、予定していた出発時間と違うことに気づき、周遊バスではないのですか、と聞くと、周遊バスではないが、こちらの方が早く着きますよ、とのことなので、この路線バスで行くことにしました。

尚、帰りは周遊バスにのりました。

精進湖入口へ向かう富士急バス車内

 2.東海道自然歩道と樹海遊歩道で、青木ヶ原樹海を満喫

富士登山で登山地図を眺める度に、気になっていた、青木ヶ原樹海をとおる道。

知人からナイトハイクの話を聞いていたりしていたので、概要は分かっていたのですが、藤子不二雄のSF短編集・第2巻に収録されている「ポストの中の明日」の舞台を自分で歩いてみたい、と思っていたのです。

尚、バスの到着時間や、途中で富岳風穴や鳴沢氷穴、紅葉台などにも立ち寄りたい、などのことから時間を逆算し、出発地点を精進湖入口バス停、としました。

精進湖バス停〜東海道自然歩道

精進湖入口バス停で下車をすると、精進湖民宿村の見取り図の掲示板があります。

見取り図を参考に、バス停から民宿村を挟んで反対側にある東海道自然歩道の入口を目指します。

樹海の中を走っている遊歩道は、道標も道もしっかりしていて、不安要素はありません。

ここから富岳風穴まで、トレイルランナーの数名と、何組かのハイカーとしかすれちがわず、好天のなか、気持ちよく静かなハイキングでした。

精進湖入口バス停 精進湖民宿村の地図 精進湖民宿村から東海道自然歩道への入口 東海道自然歩道での青木ヶ原樹海の様子

富岳風穴、鳴沢氷穴

東海道自然歩道で紅葉台へ向かう途中で、富岳風穴鳴沢氷穴があります。

かつて、富士山や南アルプスに行くときに、車でそばを通りながらも、寄ったことなどなく、一度行ってみたかったのです。

まずは富岳風穴です。

みなさまは車でこられるようで、テント泊装備のザックを背負う自分は完全に浮いています。

風穴はしゃがんで進むような狭い順路です。ザックは受付そばにあるスチール棚に置かせてもらいました。

昔はこの風穴は、植物の種子の保存やおかいこさんの生育調整などにも使われていたとか。

富岳風穴の入り口

富岳風穴から自然歩道をしばらく進むと、今度は鳴沢氷穴です。

こちらでは、券売所に人が並んで列をなしています。荷物預かりのロッカーもあるのですが、テント泊装備のザックは入りそうもありません。事情を話して、入り口そばに置かせてもらい、氷穴を見学しました。

鳴沢氷穴の入り口

紅葉台、三湖台、竜宮洞穴

鳴沢氷穴から、国道139号線の下をくぐって紅葉台方面へ向かいます。

紅葉台も、三湖台も車で行けるようで、歩く人は少ないのか、東海自然歩道は静かです。

紅葉台からの富士山の眺めは「富士八景」とされているようです。

三湖台からは、今歩いてきたであろう樹海が見渡せます。レストハウス(?)の中には観光者がいらっしゃったようですが、外のベンチに座ると大変静かで、しばし、樹海を見ながら休憩しました。

三湖台から国道をくぐったあたりまで一旦もどり、竜宮洞穴を目指します。

竜宮洞穴は、富岳洞穴や鳴沢氷穴などに比べると寂しく、周りに誰もいないとちょっと怖いかもしれません。

鳴沢氷穴から紅葉台に向かう途中で国道をくぐります 紅葉台付近の東海道自然歩道 紅葉台からの富士の眺め 三湖台からの青木ヶ原樹海の眺め 竜宮洞窟への道標 竜宮洞窟の様子

樹海遊歩道で西湖キャンプ場テント村へ

竜宮洞穴から西湖キャンプ場テント村を目指します。

時々トレイルランナーのかたが追い抜いて行ったり、家族連れの方とすれ違います。

樹海遊歩道の途中で看板地図を見ると、自分の持つ2006年発行の山と高原地図には載っていない道が表示されています。

ここ15年ほどの間に新たな遊歩道が整備されたようです。

西湖沿いの遊歩道を進み、西湖の辺りで逆さ富士を見て、しばし歩いてキャンプ場に到着です。

前日に予約しておこうと電話したのですが、「空いているので、そのまま来てください」と言われていて、その言葉どおり、当日の利用者は自分たち以外は、1組だけでした。

樹海遊歩道の道標 樹海遊歩道の道標 西湖に映る逆さ富士 西湖キャンプ場にテントを張る

 3.鬼ケ岳登山

朝食にトイレを済ませ、テントを撤収して出発です。

天気が良い日のテントの撤収はとても楽です。

雪頭ヶ岳

キャンプ場から鬼ケ岳を目指すと、その手前に雪頭ヶ岳せっとうがたけのピークを踏むこととなります。

東入川堰堤広場を目指し、広場からは杉林の中を登って高度を稼いで尾根に出れば天気に恵まれ、新緑の明るさと相まって気持ちも明るくなります。

西湖キャンプ場から鬼ケ岳への登山道へ向かう林道 東入川堰堤広場から鬼ケ岳登山道入口 鬼ケ岳登山道の杉林 鬼ケ岳登山道の尾根 雪頭ヶ岳からの富士山の景色

鬼ケ岳

雪頭ヶ岳から鬼ケ岳は直ぐそばです。

一度山道をくだり、登り返しにハシゴを登れば鬼ケ岳山頂です。

頂上にある岩の形が、鬼のツノのようだからこの名前が授けられたのでしょうか。

しばし眺めを楽しんでから、雪頭ヶ岳の開けた場所へ戻り、昼食を楽しみます。

景色の余韻を残しながら、下山しました。

鬼ケ岳山頂直下の梯子 鬼ケ岳山頂にある、鬼のツノのような岩 鬼ケ岳山頂にある、鬼のツノのような岩 鬼ケ岳山頂からの眺め

 4.下山|帰路

十二分に余裕をもって行程を組んだため、明るいうちに下山できました。

西湖の駐車場

下山したその足で、西湖辺りの駐車場へ向かいます。

西湖駐車場にはトイレと東屋が併設されています。

肌着を着替えるのにトイレを利用させてもらい、東屋で暫し休憩です。

東屋そばには根場民宿バス停があります。

西湖駐車場から見る富士山

周遊バス

行きに乗りそびれた周遊バスですが、帰りには乗ることができました。

グルグルと湖の周りをめぐりながら河口湖駅へ向かいます。

事前に調べておいた時間とバス停に記された時間が違っており、運転手さんに聞くと、やはりコロナの影響で、運行ダイヤを変えているとのこと。

余裕を持った行程を組み、また時間を確定したいのであれば、電話などで問合せしておくのがいいでしょう。

周遊バスの車窓からの景色

富士急行線

河口湖駅から富士急行線で大月駅へ向かいます。

途中無人駅が結構あるようで、乗車、下車の検札(?)などを女性の車掌さんが停車するたびにホームや車内を歩き回って行う、というローカル線ならではの光景が面白かったです。。

富士急行線の車両