SEA TO SUMMITの寝袋|Spark SpⅡの導入

沢登りを始め、泊りも視野に入れて計画するようになり、まず購入したのは寝袋ではなく、シェラフカバーとシーツでした。

その後、積雪期登山のために購入したのは、米国はマウンテンハードウェア社の「ファントムゼロ」という寝袋です。

「0〜ー18°C」と印刷されたこれを、8月の北アルプスから12月の南アルプスまで、暑い時は掛け布団のように、寒い時は服を着込んでつかっておりました。

4月の屋久島登山で、雨天の避難小屋で同宿された方が寒そうにしているのを見たり、8月の大雪山で雨の中寒い思いでテント泊するにつれ、「小器用に複数の寝袋を使いまわさず、これでよかった」などと確信しておりました。

道具をやたら使い回すと、本当に必要な機能や長所短所が見えてこない、という信念のもと(ケチともいう)、どうせ冬になればこの寝袋なんだし、重さや大きさを許容すればトレーニングにもなる、として、全く意に介しませんでした。

久しぶりに登山を再開するにあたり、車を手放した自分は公共交通機関を利用します。この時初めて自分のザックの大きさを気にするようになりました。

両神山や尾瀬で、乗合バスやコミュニティバスを利用しましたが、明らかに自分のザックが大きく、もし、自分と同じような荷物を全員が持っていたら、大変なことになります。

自分のリュックが、同乗した他の方のザックの上にのせられたのを見るに至り、「絶対荷物を小さくしよう」と決心しました。

そんな自分の荷物を小さくするのに手っ取り早いのが寝袋をかえることでした。

SEA TO SUMIT社の寝袋、Spark SpⅡ

== 目次 ==

 1.寝袋選定

3シーズン用

目標は、「なるべく小さくなるもの」「春夏秋の登山に使えるもの」です。

モンベルのオンラインショッピングサイトを拝見してみます。

シームレスダウンハガー800#3」を見てみると、ダウンの膨らみ性能を示すフィルパワーは800。快適使用温度4℃、使用可能温度マイナス1℃。スタッフバックを含む重量は612g、収納サイズ14×28㎝となっています。

ナンガ社|訳ありダウンシェラフ

ネット検索してみると、Amazonで「NANGA(ナンガ) 寝袋 アウトレット訳ありダウンシュラフ300レギュラー 下限温度-4度」などというものに出会いました。

スタッフバッグ含む重量は650g、収納サイズは15×25㎝。

「訳あり」の理由はダウン特有の匂いだそうで、それさえ許容できれば、値段的にはお得だといえます。

ナンガ社|MINIMARHYTHM ZERO

ナンガ社の製品を検索してみると、MINIMARHYTHM 5BELOW レギュラーが見つかりました。

770FP(フィルパワー)のダウンを使い、総重量415g、収納サイズは13×25㎝、下限使用温度は-5℃とされています。

自分は実物を見ないで決めるのは嫌なので、実店舗にも行ってみたいと考えましたが、結局購入には至りませんでした。

カモシカオリジナルシェラフ|ヨセミテ380

Apple社のiMacを使う自分ですが、OSXのヨセミテを使ったことがないので、不具合などを知りません。

一方こちらのヨセミテは軽量化のためにジッパーを排除しており、ジッパーによる生地の噛み込みなどの不具合はなさそうです。

カモシカスポーツのオリジナルシェラフ製作はナンガ社で行われており、ナンガの永久保証にも対応とのことです。

こちらのヨセミテはフィルパワーは770、重量630g、収納サイズは約16×28㎝です。

SEA TO SUMMIT|Spark SpⅡ

寝袋選定にあたり、実物をみるためカモシカスポーツの店舗で、このスパークSP Ⅱと上記のヨセミテを見ていて悩んでいました。

そんな時、店員さんから「もう少ししたらセールがある」と教えていただき、このスパーク購入を決めました。

自分のレトロPC関係のページを見てくだされば推察できるように、自分はつかっている道具に愛着をもってしまう傾向があります。

愛着を持つものはできるだけ長く使い続けたくなり、どうせ長く使うなら良いものを選びたい、と店舗などで熟考することとなります。

将棋の対局などでは持ち時間が切れると「10秒〜」などと声がかかりますが、店員さんもシェラフ実物をまえに迷う自分の姿を、見るに見かねたのかも知れません。

スパークSpⅡはレギュラーで収納袋込みで重量505g、収納サイズは13×25㎝。コンフォート温度4℃、リミット温度マイナス2℃。とされています。

SEA TO SUMIT Spark SpⅡ専用の保管袋に印刷された性能表

 2.SEA TO SUMMIT|Spark SpⅡ|現物確認

実店舗の展示品を、できれば「ちょっと試させてください」と使ってみたかったのですが、そのまま寝入ってしまうことが懸念されますので、遠慮していました。

自宅では寝ても大丈夫ですので、使いながら現物確認していきます。

保管用のストレージバッグ

スパークSpⅡは専用ストレージバッグに収納されていて、購入後にはそのストレージバッグでのお持ち帰りとなります。登山時などに持ちあるく収納袋ではなく、あくまでも保管時のストレージバックのことです。

専用のバッグにいれられたSEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡ

寝袋を保管する際には、膨らむ力を損なわないように、衣装ケースなどにつるしておくか、十分な余裕があるストレージバックでの保存がかかせませんが、保存のためには付属の専用ストレージバッグでは窮屈に思えます。店員さんにもそう案内されました。

前述の「ファントムゼロ」には大きなストレージバッグが付属していました。

付属の保管袋にいれた、MountainHardware社の寝袋「ファントムゼロ

のちに家人を積雪期の登山に連れていきたいと考えて、カモシカオリジナルシェラフのUDDモデル・750レギュラーを購入、さらにその後アウトレットで見かけたモンベルのウルトラライトダウンハガー#5を購入しましたが、いずれも保管用の収納袋は付属していませんでした。

ですので、保管用のストレージバッグを購入し使用しています。

モンベルのウルトラライトダウンハガー#5をモンベルの保管用ストレージ・バッグに入れていますが、これがスカスカなので、スパークⅡもこれと一緒に入れて保管することにします。

保管用のバッグにいれた寝袋たち

ジッパー

スパークⅡのジッパーは左側で腰の位置までとなります。

ジッパーは2つ付いており、上からも下からも開けることができ、さらに首の位置にボタンがあります。

上側にジッパーには摘みやすいように札のようなガイドがついております。

寝袋の内側からジッパーを操作して閉じようとしたら、生地を噛み込んでしまいました。

もしかしたら噛み込みしやすいのかも知れません。このへんは注意が必要だとおもいました。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡ SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡのジッパーの様子 SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの首の部分のボタン SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡのジッパーで生地を噛み込んでしまった様子

ドローコード

頭からすっぽりかぶる時に使うドローコードですが、軽量化や収納時のことを意識しているのか、平べったい形状です。

引っ張って閉じる分には問題ないのですが、開放する時に、ドローコードを押しにくいと感じました。

もし壊れでもした際には自分の使いやすいものに交換したいな、と感じました。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡのドローコード SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡのドローコードを引いた状態

ループ

スパークⅡの足先部分左右に2つ、腰のあたりの左右に2つ、小さなループが配されます。

自宅では寝袋を物干し竿やハンガーにかけて干したりしますが、連泊などで出先では寝袋を干す際などに、このループを使えば干しやすそうです。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの4箇所のループの位置 SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡのドローコード SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡのドローコードを引いた状態

感触

自分が一番使っているマウンテンハードウェア社の「ファントムゼロ」はもう十数年前の製品ですが、生地はゴワゴワで、シェラフの中で身を動かすと、ガサガサと音がなるような感じです。(尚、これは昔の製品なので、現行品はおそらく感触も性能も全く違うと思います。あくまでも自分の所有するモノの評価です。でも一番使い込んでいるシェラフであり、スタッフバッグの破れやドローコードが切れるなどもありましたが、修理して使っており、1番のお気に入りです)。

MountainHaedware社の寝袋_FantomZero

その後購入したカモシカオリジナルシェラフは手触りも良く、とても快適に思えます。使用頻度が低いので劣化が少ないとおもわれますが、この度カモシカスポーツ店頭でふれたヨセミテも、やはり手触りが良く、価格と共に、この手触りにもとても惹かれました。

カモシカスポーツオリジナルの寝袋_UDDレギュラー750

モンベルのウルトラライトダウンハガー#5も、生地の感触はいいのですが、シェラフの中に身を入れる際、ストレッチを効かせるゴムの部分に引っかかる感じがします。

モンベルの寝袋、ウルトラライトダウンハガー#5

そして肝心のスパークⅡですが、こちらも手触りがいいです。素手で触れると縫い目に引っかかりを感じますが、衣類の上からでは抵抗などは全く感じないでしょう。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡ SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの内側の状態

スタッフバック(持ち歩き用)

筒状の袋にシェラフを治めたのち、袋の上下を3箇所に配されたストラップを締め上げてさらに圧縮していく形となっています。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの持ち歩き用のスタッフバック

まず、シェラフをスタッフバックに押し込みます。

850フィルパワーの寝袋は、折りたたんで小さくすることなどできません。ですのでグイグイと端から押し込んでいきます。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの持ち歩き用のスタッフバックに寝袋を押し込んでいます

まずスタッフバックに押し込むとこんな感じです。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの持ち歩き用のスタッフバックに寝袋を入れたところ SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの持ち歩き用のスタッフバックに寝袋を入れたところ

さらに上下の黒い蓋状の部分を広げ、ストラップで圧縮しますとこんな感じです。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡの持ち歩き用のスタッフバックに寝袋を入れたところ

寝袋だけで、だいぶ荷物が小さくなりそうです。

SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡとMountainHardware社の寝袋ファントムゼロの比較 SEA TO SUMMIT社の寝袋_Spark SpⅡとMountainHardware社の寝袋ファントムゼロの比較

 3.SEA TO SUMMIT|Spark SpⅡ|期待感

このスパークⅡ、実際に使いこんでみて、またご報告できればと思います。