もし山行中にテントポールが折れたら|アライテント・ゴアライズ|テントポールの補修

登山のテント泊で夜中テントポールが折れてしまったらどうしますか。

自分は白馬岳への2泊3日のテント泊登山の1泊目でテントポールがぽっきりと折れてしまったのです。

知人などからテントポールが折れた時の話を聞いていました。

___みんなの手でテントを支えて朝を迎えたとか、ポールを全て外して布地だけを被って過ごしたとか。___

自分もこの度、テントポールが折れるという経験をしたのですが、なんとかうまく乗り切れたのでネタにしてみました、みなさまと情報共有したいと思います。

アライテント/ゴアライズ2

== 目次 ==

1.テントポールが折れた時の状況

白馬大池山荘のテント場を利用した際、夜中強風の中テントごと引きずられて目が覚めたら、テントポールが折れていました。

これを修理して明け方目覚めて確認していたら、さらにもう一本のポールも折れていました。

白馬大池

アライテント|ゴアライズ2

使用していたテントはアライテントのゴアライズ2。自分は、初めて購入するテントを何にするかと熟慮して、このシングルウォールテントを購入しました。

アライテントのシングルウォールテントであるゴアライズもXライズになり、Eライズが現在ラインナップされています。

アライテントの能書きにもあるよう、普段はフライシートと併用し、真価を発揮する積雪期にはシングルウォールで利用していました。

白馬大池山荘のテント場

白馬大池山荘のテント場は、その美しい景観を守るためでしょう。テント張り綱を石や岩などで固定するのは禁止で、ペグを利用しなければいけません。

自分はペグを持っていても、テント場で石や岩を利用できるときはそちらを優先し、テントを確実に固定します。

地面にペグを打つときは、靴で踏みしめるように土中へ押し込みますが、土中の石などに気づかず踏み込むとジェラルミンペグは簡単に曲がってしまいます。

アライテント-ゴアライズ2と共に携行するアルミペグ

アライテントの公式ページには『人為的な原因以外でのテントの破損の最大の原因は「風」です。』『飛ばされたテントは着地の際に布地が破れたり、フレームが折れたりします。』とあります。

この時も強風であおられたテントが、浮き上がったりして、地面に叩きつけられるような動きをしており、フレームに負荷がかかり折れたようです。

2.テントポールの補修

この時テントポール補修につかったのは、テントに付属するリペアスリーブ、ニチバンのテーピングテープ、細引きでした。

ニチバンのテープは靴ずれや止血などに、細引きは物干しや靴紐が切れた時などに使えるため、登山時には常に持ち歩くようにしていました。

アライテントに付属するリペアスリーブとテーピングテープと細引き

一本目の修理|リペアスリーブを使用

アライテントのエアライズなどは、テントポール補修用として「リペアスリーブ(緊急フレーム補修用チューブ)」が1つ付属します。

これをポールの折れた箇所に通して使えるようにするわけですが、折れた箇所が膨らんでいて、うまくリペアスリーブが通せません。

そこでマルチツールを使い爆裂箇所をカシメてねじ込みました。一度ねじ込んでしまえばキッチリと固定されて大丈夫です。

補修を行った時は、氷雨と強風で手が悴んでしまう状況でしたので、マルチツールがなければリペアスリーブを通すことができなかったかもしれません

svea123r 折れた箇所その1

↓ 一番上、テントポールに差し込んであるのがこの度使用したリペアスリーブ。真ん中のものが、ゴアライズの後継種Xライズのテントポールに付属のリペアスリーブ。一番下の黄金色のが登山用品店で単体で売られていたものです。

リペアスリーブの新旧

二本目の修理|リペアスリーブなし

リペアスリーブは1つしかありません。

折れた2本目のポールは、折れた箇所をZ字にして重ねて、ニチバンのテープをぐるぐる巻き、その上から細引きをキツく巻きました。

濡れていなければテーピングテープだけで完結できたのかもしれません。

ポール2本分以上の厚みができてしまいましたが、テントポールを通すテント本体の袖(スリーブ)に余裕があり、普通に通して使うことができました。

テントポールの折れた箇所をZ字にして重ねる テーピングテープの上から細挽きでグルグル巻き

補修したテントポールでの2泊目

2泊目は白馬岳頂上宿舎のテント場で宿泊です。

この日も強風で、テントは当方含め2張だけでした。(もう一人おられたのですが、強風のため小屋泊に変更されました。)

こちらのテント場では石や岩を使い放題です。テント設営の時からビュービュー風が吹いているので、張綱を固定するために、石を小山のように積み上げて設営しました。

翌朝もう1張の方にお話を伺うと、昨夜の強風でテントのポールが折れてしまったとのことですが、当方はこの補修済みのポールで大丈夫でした。

自分の補修済みのテントポールは収納に際しては畳めない箇所があるため、袋からポールがはみ出てしまいますが、ザックの横に固定すれば問題ありませんでした。

補修した箇所があるため、畳みきれない

蛇足

細引き

細引きは、登山用品店で様々な太さ、色のものがメートル単位で売られています。

山行や旅行に合わせて準備して持ち歩いています。

靴紐が切れた時の代わりや物干しなどに重宝します。

前述のように自分は石や岩を利用してテントの張綱を固定しますが、強風で一晩中煽られていると、張綱が岩と擦れて痛んでしまいます。これの交換にも細引きが欠かせません。

また、冬用衣類のジッパーなどに、手袋をしたままでも使い勝手がいいように結びつけてもいいでしょう。

細引き4種 衣類のジッパーに細引きを使う

マルチツール

みなさまは、山行中にスパッツの金具の変形などで困った経験などありませんでしょうか。

テントに入ろうとして、スパッツを取ろうとするも、靴紐に掛けたスパッツの金具が変形して外せない、と自分は困ったことがありました。

自分は、Leatherman(レザーマン)のBLASTというものをラジオペンチとして日常使っています。

これは大変使い勝手がよく、堅牢さもあり日常生活で重宝しているのですが、これを持っていくのは重すぎるのです。

そんなことを考えていたら、小型のLEATHERMAN_SQUIRT PS4 Blueがあることを知り、これを購入し持ち歩いておりまして、この度も、しっかり役立ってくれました。

レザーマンBLASTとSQUIRT_PS4