ラズパイ4をArgonONE_M.2ケースでSSD起動にしてみた
ラズベリーパイ4では、USB起動によりSSDで使えるということを知りました。
GeekPiのArgonONE_M.2ケースをつかうことで、M.2_SSDでもスマートにラズパイ運用ができるようなので、早速つかってみることにしました。
== 目次 ==
- 1.用意したもの
- 2.RaspberryPi OSの準備
- 3.ArgonONEケース組立て
- 4.初回起動〜各種設定
・ラズベリーパイ4・モデルB
・ArgonONE_M.2ケース
・M.2_SSD
・電源ケーブル
・HDMIケーブル
・マイクロSDカードからM.2_SSDにコピーするやり方
・M.2_SSDに書き込むやり方
・ラズパイ4とドーターボードを合体
・シリコン・サーマルパッド
・ケース上部にラズパイ4のGPIOピンを差し込む
・ケース上部と下部を合体
・初回起動
・raspi-config
・仮想キーボード
・microSDカードの中身をM.SSDへコピーする
1.用意したもの
ディスプレイはiPadの液晶で自作したモニター、キーボードはジャンク品を修理したiMac-G3 M2452、マウスはあるもので。
それ以外に必要なものを購入しました。
ラズベリーパイ4・モデルB
これがなくては始まりません。
ラズベリーパイ4の8GBモデルを購入しました。
ArgonONE_M.2ケース
GeeekpiのArgonONE_M.2ケースの存在を知り、ラズパイを使ってみたいと考えました。
ラズベリーパイ4の8GBモデルは結構高温になるそうで、大きなファンを使っている方も散見されましたが、このArgonONEケースは、金属ケース自体をヒートシンクとするものです。
また、このケースを使うことで、2方向にケーブルが出てしまうラズパイが、1辺にのみケーブル端子が集中するようになり、見た目もスマートになります。
M.2_SSD
USB起動ができるようになったことで、2.5インチのSSDも使えるのですが、m.2のSSDとArgonONE_M.2ケースを使うことで、コンパクトにSSD運用することができます。
ArgonONE_M.2ケースに対応するのはSATAのKey-BまたはKey-B&Mのものです。
M.2のSSDを使うのは初めてです。
自分はWestern Digitalの500GBモデルを購入しました。
電源ケーブル
ラズパイ4の電源は5ボルト3アンペア、USB-Cとされています。
自分はマルツさんで、電源供給の安定を売りにしている5V4A電源ケーブルを見つけましたので、これを購入しました。
HDMIケーブル
ラズパイ4の映像出力はmicroHDMI端子×2なのですが、ArgonONEケースの付属基板(ドーターボード)を連結させることで、HDMIケーブル端子から出力させることができるようになります。
2.RaspberryPi OSの準備
通常ですと、RaspberryPi OSをPCやMacでマイクロSDカードに書き込み、そのマイクロSDカードをラズベリーパイ4に差し込んで使います。
USBを介してSSDでRaspberryPi OSをつかうには、マイクロSDカードから、その中身をSSDにコピーして使うやり方と、SSDに直接書き込むやり方があります。
RaspberryPi OSをメディアに書き込むための、RaspberryPi Imagerを公式のページよりご自身の環境に合うものをダウンロードします。
マイクロSDカードからM.2_SSDにコピーするやり方
ご自身お使いのPCなどにマイクロSDカードを接続して、ダウンロードしたRaspberryPi Imagerを立ち上げます。
RaspberryPi Imagerで選択するのは、OSと書き込み先のメディアです。
立ち上がったRaspberryPi Imagerの<CHOOSE OS>からOSを選びます。自分は無難に「RaspberryPi OS(32bit)」を選びました。
続いて<CHOOSE STRAGE>で書き込み先にマイクロSDカードを選択し、<WRITE>で書き込みを開始します。
間違ったストレージを選ぶと、その中身が消えてしまうので、気をつけてください。
書き込みは、ダウンロードをしながら行うようで、少し時間がかかりました。
書き込みがおわりましたら、SDカードとm.2_SSDをセットしたArgonONEケースを組み上げ、SDカードから起動したRaspberryPi OSのメニューから「アクセサリ」の中にある「SD Card Copier」というアプリでSDカードの中身をSSDにコピーします。
M.2_SSDに書き込むやり方
USBの延長ケーブルがあれば、こちらのやり方の方が手間がかかりません。
USB延長ケーブルでM.2SSDを接続し、RaspberryPi Imagerで、書き込み先をSSDに指定して書き込むだけです。
3.ArgonONEケース組立て
ArgonONE_M.2ケースの箱をあけて中身を確認します。。
ケースの上側と下側が一つずつ。ドーターボード(基板)。筐体下部のゴム足のシート、2種類×4本で合計8本のビス、サーマルパッド×2枚、特殊USBコネクタ。
以上です。
ラズパイ4とドーターボードを合体
付属のドーターボードをラズパイ4にくっつけることで、microHDMI端子がHDMI端子に変換されます。
そして、このボードにより、全ての端子類がケースボディの1辺に集約されます。
microHDMI端子と3.5ミリヘッドホンジャックを繋げるのですが、差し込みが硬くて、力を入れると壊してしまいそうで苦労しました。
シリコン・サーマルパッド
ArgonONEケースの上側にシリコン・サーマルパッドを2箇所貼り付けます。両面テープ状になっています。
このパッドを介して、金属ケース上部に熱を伝えます。
ケース上部にラズパイ4のGPIOピンを差し込む
ラズパイ4のGPIOピンをケース上部に差し込み、短い方のビスで4箇所固定します。

この時ジャンパーピン位置で、電源ボタンの設定もしておきます。
ラズパイは電源コードを差し込んだ時にそのまま電源オンとなる仕様です。
ジャンパーピンが、1-2ピンに差し込んであるとき(初期設定)では、Argonケース背面の電源ボタンを押すと電源がオンとなります。
ジャンパーピンが、2-3ピンに差し込んであると、電源コードを差し込むと電源オンとなります。
ラズパイの電源コードには、コードに電源ON-OFFスイッチが用意されているのものがあります。
こういったコードを使う場合はジャンパーピンを2-3にセットしてもいいかもしれません。

ケース上部と下部を合体
マイクロSDカードを使う場合は、ラズパイにSDカードを差し込み、M.2_SSDをケース下部にセット。これを合体させます。
底面からビス4本で固定し、ゴム足シールも貼り付けます。
SDカードからOSをコピーする場合は、後ほどSDカードを取り出すので、ビスも緩めに締めておきます。
4.初回起動〜各種設定
Wi-FiもBluetooth機能もあるラズパイですが、じぶんは有線好きなのでEthernet、キーボードにマウスも有線のものを使います。
電源ケーブルにHDMIケーブルも繋いで起動します。
初回起動
ラズパイOSを初めて立ち上げると、初期設定から始まります。
「SET COUNTRY」画面で「JAPAN」を選ぶと、言語やタイムゾーンも自動で割り振られます。これでよければ「NEXT」をクリック。
続いてパスワード設定、ソフトウェア・アップデートと続きます。少し時間がかかります。
アップデートが終わると、Restartを促されるので、Restartを選択し再起動させます。
raspi-config
再起動しましたら、画面左上の黒いボックスをクリックして「ターミナル」を立ち上げます。。
ターミナルが立ち上がりましたら、「sudo raspi-config」を打ち込みENTER。
「Software Configuration Tool」が立ち上がりますので、お使いの環境に合わせて各種設定していきます。
Display Optionで画面設定。自分は9.7インチのRetinaディスプレイなので、「Pixel Doubling」を設定しました。
ヘッドホンジャックから音声が出ない場合は、System OptionsからAudioで「Headphones」を設定。
肝心の、USBからの起動をする設定も忘れてはいけません。
「Advanced Options」から 「Boot Order」に進み、「USB Boot」を選択します。
自分は、このBoot設定で、エラーが出ました。
「EEPROM」のバージョンに問題があるようでしたので、改めてターミナルを立ち上げて、「sudo apt update」を実行し、続けて「sudo apt full-upgrade」を実行します。
アップグレードが終わりましたら、再び「sudo raspi-config」でConfigration Toolを立ち上げ、「Advanced Options」から「Bootloader Version」で「Latest Use the Latest......」を選択。
再起動後に、再び「Advanced Options」から 「Boot Order」に進み、「USB Boot」を選択します。
日本語入力
初期設定で「JAPAN」を選択したことで、日本語表示には対応していますが、このままでは日本語入力出来ませんので、「fcitx-mozc」をインストールします。
ターミナルで「sudo apt install fcitx-mozc」と入力、実行します。
インストール後はデスクトップ画面右上のキーボードアイコンが表示されます。
このアイコンをクリックすることで、入力を「英字アルファべット⇄かな」に切り替えできますし、初期設定では「ctrl+スペースキー」を押すことで、切り替えができるようになっています。
仮想キーボード
さらに、キーボードを外して運用することも想定し、仮想キーボードもいれておきます。
ターミナルで「sudo apt install matchbox-keyboard 」と打ち込みEnter。
インストール後、立ち上げてみると、対応するフォントが入っていないため、キーボード表示がおかしくなっています。
再びターミナルで「sudo apt install ttf-kochi-gothic xfonts-intl-japanese」と打ち込みEnter。
これで、仮想キーボードの表示が直りました。
microSDカードの中身をM.SSDへコピーする
SDカードの中身をSSDにコピーするには、ラズパイメニューから、アクセサリ→ SD Card Copierを選択。
これでコピー元をSDカードに、コピー先をSSDに指定して、実行。
尚、「New Partitions UUIDs」のチェックボックスですが、「HELP」によれば、同じUUIDをもつSDパーティションをマウントすることができないため、コピー先のメディアで立ち上げた場合、もとのSDカードをマウントすることができないそうです。
チェックをいれて実行、が無難かもしれません。
後は色々使い込んでいくのみです。
2021.10
もしよろしかったらこちらの記事もどうぞ