iPod 第五世代|マイクロSDカードで128GBへ大容量化
iPod 5G(第五世代)の内蔵ストレージを128GBのマイクロSDカードに置き換えてみます。
フリマサイトでiPod-5Gの中古品を手に入れ、さらにストレージの置き換えに必要なCFカードアダプター、CFカード変換基板をAliExpressで調達。マイクロSDカードはAmazonで購入しました。
充電池の交換も想定していましたが、入手したiPod-5Gは電池の調子が良かったので、電池はそのまま使い続けることにしました。
== 目次 ==
- 1.iPod-5Gを選んだ理由
- 2.用意したもの
- 3.開腹作業
- 4.ストレージ交換
- 5.成功するまでの迷走の軌跡
- 6.総括
- 7.Ali-Expressについて
・開腹しやすさ
・音が良い?
・ZIFアダプター
・CFアダプター
・microSDカード
・開腹用の工具類
・保護のためにテープを貼る
・開腹は右側面より
・Extreme CF Adapter
・CFカードアダプターと充電池の配置
・ハードディスクの撤去
・置き換えるストレージの準備
・組み戻し
・バッテリーの短絡
・不具合箇所はCFアダプター?
・ハードディスクの緩衝材
・自分の場合の成功条件
・重量
・費用
・音質
・見た目
・アカウント
・クレジット・カード
1.iPod-5Gを選んだ理由
iPod(第五世代)は2005年に30GBと60GBのモデルが発表され、2006年には5.5世代が30GBと80GBのモデルが発売されました。
iPod-Classicの80GBモデルを持っているのですが、ある時、これをストレージを置き換えることで大容量化、軽量化できることを知りました。
しかし思い出のiPodをいじって壊してしまうと嫌なので、中古品を購入してやってみることとしました。
開腹しやすさ
ネットで検索して先達の試みを拝見すると、iPod-Classicは本体の開腹が大変そうなのです。
それに比べてiPodの第五世代(5.5世代も)は開腹が簡単だとのことで、フリマサイトで吟味して、状態の良さそうなものを手に入れました。
色々調べている過程で、もっと開腹やストレージ交換が簡単なiPod-Miniの存在を知り、同時にiPod-Miniも手に入れてストレージや充電池を交換してみました。
音が良い?
これも調べているときに、iPodの第五世代(及び5.5世代も)は英国はWolfson Microelectronics社製のチップが使われていて、これが、iPod-Classicよりも音が良い、という評価があることを知りました(iPod-Classicは米国のCirrus Logic社製のチップ)。
主にこの2点により、iPod第五世代を手に入れて改造してみることにしました。
iPod-Miniのストレージとバッテリー交換した時の記事に興味がありましたらこちらからどうぞ
2.用意したもの
ZIFアダプター
CFカードをこの変換基板を介してiPodに繋いでストレージとして認識させるものです。
Ali-Expressで購入。
CFアダプター
SDカードをこれに挿してCFカードとして使います。
Ali-Expressで購入。
microSDカード
128GBのマイクロSDカードをAmazonで購入。自分が購入したものにはSDカードアダプターも付いていました。
開腹用の工具類
iPodのスチールカバーを傷つけたくなかったのでプラ樹脂製の工具類が含まれる工具セットをAli-Expressで購入しました。
3.開腹作業
保護のためにテープを貼る
iPod第五世代は、クリックホール以外の表面が、一面ポリカで覆われています。
これが見た目に綺麗で非常に気に入っているのですが、反面大変傷つきやすいです。また裏面の金属カバーも傷つきやすいです。
ですので、手持ちの梱包用のテープを貼り付けて覆います。
開腹は右側面より
樹脂製の開腹用工具をiPod右側面の金属カバーとの境目に押し当てると、そんなに力をいれなくても隙間ができます。
この状態で工具をスライドさせて、iPod表面からみて右側、上、下側と、iPodの表面と裏の金属カバーを固定している爪を外していきます。
(写真を撮り直したため、保護するテープがないのですが、脳内変換でお願いします。)
爪を外しても、バッテリーのフラットケーブルを解除するまでは、パカっと開いてはいけません。
iPodを裏返して、金属カバーを少しずらすとバッテリーケーブルが見えますので、これを解除します。
ただ引っ張ればいいのですが、自分は金属のピンセット使い、ケーブルを差し込む時に短絡させて火花が散り、慌ててしまいました。
皆様はこんな失敗をせぬよう、樹脂製工具や爪楊枝などを使うようお願いします。
バッテリーのフラットケーブルを外したら、反対側にもフラットケーブルが接続されているので、そっと本を開くように開けてください。
4.ストレージ交換
もともとのハードディスク30GBをmicroSDカード128GBへ置き換えます。
ハードディスクの撤去
まずハードディスクを取り除きます。
開腹したiPodにハードディスクが見えます。これを上側のほうから持ち上げるとフラットケーブルの接続部分が見えます。
接続されているフラットケーブルを工具を使い解除します。端子の上側に工具を差し込み、それを下へ「漕ぐ」ような感じで動かすと上手く解除できます。
置き換えるストレージの準備
無事ハードディスクを外せましたら、今度はmicroSDカードの準備です。
さきにマイクロSDカードをフォーマットしておきます。
自分はiMacをつかっているので「ディスクユーティリティ」をたちあげて、「MS-DOS(FAT)」を選択して実行します。
フォーマットの終わったmicroSDカードをSDカードアダプターに差し、さらにそれをCFカードアダプターに差します。そしてそれをZIFの変換基板に挿します。
ZIF変換基板をハードディスクの代わりに接続し直します。
5.成功するまでの迷走の軌跡
接続したZIF変換基板を接続し直し、さらにバッテリーを接続して、これをMacに認識させて「iPodの復元」をすれば無事成功のはずでしたが、ここから迷走することとなります。
バッテリーの短絡
前述しましたが、この最後のバッテリーの接続で、金属製のピンセットを使ったため短絡させてしまったのです。
接続して、「iPodを復元〜」云々の画面が出ていたのを確認して、再度しっかり接続しなおそうとしていた矢先の事で、あわてて接続し直して、USBケーブルを繋ぐと「Please Wait. Very Low Battery」と「Sad iPod」のメッセージが出るのみで、Macに接続してもMac側が認識しません。
短絡により一瞬でバッテリーが放電をしてしまった為、しばらく充電してれば再度認識してくれるのかも、と考えて、しばらく充電をしてみました。
不具合箇所はCFアダプター?
充電を続けたら、MacでiPodを認識するようになったのですが、「iPodの復元」を試みるも、「iPodがビジー状態のため復元できませんでした。」のメッセージがでて中断してしまうループ状態に陥りました。もしかして内部が故障してしまったのかと考えました。
まず、もとのハードディスクを接続し直して動作するかを確認します。
ハードディスクを繋ぎ直すと元どおり動作はします。するとなるとZIF変換基板かCFカードアダプターあたりが怪しそうです。
「ZIF変換基板のフラットケーブル接続端子の締まりがゆるく、付属するフラットケーブルを少し切り、スペーサー替わりにして挟み込んだら上手くいった」というようなレビューなどもある為、同じようなこともしてみたのですが、上手くいきません。これは結果からいうと、スペーサーなど自分の場合は必要ありませんでした。
次はCFカードアダプタの不具合を疑います。以前128GB化したiPod-MiniからCFカードアダプタを抜き出して、これに変えて使ってみます。
CFカードアダプタを取り替えて接続し、USBケーブルを接続。クリックホイールの「MENUボタンと中央ボタン」の長押しで再起動させたり、「中央ボタンと再生ボタン」の長押しでディスクモードへしてみたり、などの事をしていたら、赤いバッテンが出ました。
期待しつつしばらく待つと、、、MacがiPodを認識しました!
この後に、取り替えたCFカードアダプターをiPod-Miniに使用して組み直したら、こちらもきちんと動作したので、CFカードアダプターの相性があるのか、もしくはアダプターをきちんと差し込んでいなかったのかもしれません。
ハードディスクの緩衝材
動作確認ができたので、開腹状態のiPodを閉じます。
元々iPodのハードディスクついていたゴムの緩衝材を、ZIF変換基板につけて閉じようとしたのですが、若干厚みなどでどこか干渉しているような感覚があったのですが、力をこめて閉じました。
すると、またあの「Sad iPod」の画面がでてしまったのです。
再度開腹して、再起動をかけて正常動作を確認した上で、今度はゴム状のスペーサーを外しZIF基板のみで内部に収めて蓋をし、改めて動作確認すると、無事動作しました。
ゴムのスペーサーを使わずにZIF基板のみでも、内部でカラカラしてしまうようなことはありませんでした。
6.総括
いろいろ成功するまで迷走したのでまとめてみます。
自分の場合の成功条件
iPod-5Gの開腹用に樹脂製の工具を用意したのですが、これを使えば傷などつけることなくiPodを開けることができます。
初めは用心してテープでiPodを養生したのですが、2度目以降は自分はそのまま開腹しています。
またZIF基板は接触不良が考えられるので、接続する(差し込む)ときは、しっかりとすること。
バッテリーのケーブルを抜き差しする際は金属製のピンセットや工具は使わないこと。自分の場合は放電で済んだようですが、場合によっては故障してしまうかもしれません。
あとは、ストレージを入れ替えたiPodをMacに認識させる際、上手くいかない時は、クリックホールの「MENUボタン+中央ボタン」で再起動、「再生ボタン+中央ボタン」でディスクモードへの切り替え、などをして認識させることでしょうか。
重量
改造前のiPod-5Gは131グラムだったのが改造後は108グラムになりました。
費用
本体はフリマサイトで2400円。microSDカード(+SDカードアダプタ)はAmazonで2000円程度。ZIF変換基板はAli-Expressで2.56ドル、CFカードアダプタは9.31ドル、工具のセットは3.99ドルでした。あとポリカのiPodケースも買いました。こちらは2.31ドルでした。
音質
オーディオ機器類に無頓着な自分ですので、話半分で聞いていただきたいのですが、確かに音がいいように感じます。シンバルのレガートやサックスの音がくっきりとしているような気がします。
音がいいと、改めて色々音楽を聴いてみたくなります。
見た目
何よりも一番気に入ったのがiPod白のルックスです。傷つきやすい表面のポリカですが、透明の下に白いパネルがあって綺麗なんですよね。
さらに安価なポリカの透明なカバーでそれが良く見えて嬉しくなりました。
128GBに増量したこれを楽しみながら大事に使っていこうと思います。
7.Ali-Expressについて
愛用しているSONY Reader-PRS-T3Sの液晶表示がおかしくなり、その液晶パネルがAli-Expressで売られているの見つけ、これを購入するに際し、どうせだったらiPodの改造部品もついでに購入しようと考えて、工具類なども含め7点ほど購入しました。
アカウント
アリババグループのAli-Expressを利用するのに、不正利用などのトラブルが懸念事項でした。
ですので、まずアカウントに必要なメールアドレスは専用のものを用意しました。
クレジット・カード
クレジット・カードの利用も不正利用への懸念があります。その懸念からVプリカなどの利用も考えました。
ですが、不良品などが届いた際、返金対応を求めようとしても、Vプリカなどでは利用期限の関係からできないことがあるようなのです。
自分は不正利用の懸念よりも、不良品への返金対応を求めることができない、ということの方が嫌なので、普段から利用しているクレジット・カードを使いました。
以前不正利用が疑われた時にも誠実に対応してくれ、利用限度額も極力低く設定しているので、安心して使っています。