iMacにトラックボールという選択肢|Kensingtonケンジントン Orbit Trackballオービットトラックボール
自分が使っているiMac 5k 2017にはマジックマウス2が付属しておりました。
以前iMac2009lateでも使っていたマジックマウスも気に入っておりましたが、後にマジックトラックパッド2を購入し、そのトラックパッド故障の故障を経験したのち、ケンジントンの、OrbitTrackball with Scroll Ringにたどり着きました。
== 目次 ==
- 1.Kensington Orbit Trackball
- 2.TrackballWorks
- 3.オービット_トラックボールを使ってみての感想
- 4.MagicTrackPad2からOrbit_Trackballへの移行
- 5. マイクロスイッチ交換で静音化
・手の負担
・机に占める面積が小さい
・スクロールリング
・ボタン
・ポインター
・スクロール
・時々動きが硬くなるトラックボール
・ゴミの詰まり
・まさかのマジックトラックパッド2の故障
・5年保証
・唯一の弱点|クリック音
・星形のネジ
・ハンダゴテ作業
・新しいマイクロスイッチの設置
1.Kensington Orbit Trackball
消極的な理由でトラックボールにたどり着いた自分ですが、結果的にとても満足しています。
マジックマウスでもなく、マジックトラックパッドでもない選択肢を求めている方には強くお勧めできます。
手の負担
マジックマウスでもマジックトラックパッドでも長時間使っていると手首の根本のあたりが赤くなりました。
オービットトラックボールには、手首のレストが付属しておりましたが、自分はそれを使うまでもなく、手首があかくなるようなこともありませんでした。
このリストレストは本体裏側に見える溝に、リストレストの出っ張りをひっかけてセットするだけです。
トラックパッドでもポインタを動かすときには手の位置を動かすことになりますが、トラックボールでは手首を動かすことがありません。
マジックトラックパッド2では画面上のフォルダなどを動かすとき、指で押し込んで(ファイルを摘んで)そのまま指を動かして移動させます。これが結構力を使うように感じます。
トラックボールでは(自分の場合は)親指でクリックしながら人差し指と中指でトラックボールを動かすだけです。とても楽に感じます。
机に占める面積が小さい
マウスではポインタを動かすためにマウス自体を机の上で動かします。トラックパッドは動かしませんが、それなりのスペースを占めます。もちろんトラックボールでもそれなりのスペースを占めますが、その面積はトラックパッドより若干小さいようです。
スクロールリング
トラックボールの周りにスクロールリングがあります。
これを回せばウェブサイトの画面などを上下させることができます。
マジックマウスやマジックトラックパッドでも、指の位置をそのままに、サッと動かすことでスクロールさせることができますが、このトラックボールでもほぼ手の位置を動かすことなく、(自分の場合は)中指か薬指を動かすことでスクロールさせています。
またマジックマウスなどでは指を横に動かすと、ウェブサイトを横スクロールさせることができますが、このトラックボールでは、シフトキーを押しながらスクロールリングを回すことで、横スクロールを実現できます。
2.TrackballWorks
Kensingtonケンジントンのオービット・トラックボールは公式のダウンロードページから「TrackballWorks」というソフトをダウンロードして、いろいろカスタマイズすることができます。
「TrackballWorks」をインストールすると、macだと、画面左上の「りんごマーク」から「システム環境設定」をクリックすると一番左下に、「TrackballWorks」のアイコンがあるので、これをクリックして各種設定していきます。

ボタン
オービット・トラックボールはボタンが2つです。これに「左ボタン」「右ボタン」「左右同時押し」の3種類の操作を割り当てることができます。
自分の場合は左右のボタンは初期設定のまま。左右同時押しで「戻る」を設定しています。
「追加...」をクリックすると、さらに多彩な設定をすることもできるようです。
ポインター
ポインターの設定に「ポインターの加速設定」があります。これがトラックボールの使い勝手を格段によくしています。
自分はiMacの27インチを使用していますが、この「ポインターの加速設定」により画面の隅から隅までのポインターの移動をとても容易なものにしています。
「低速ポインター」を設定しておくと、微細なポインターの操作が求められるときに、「シフト」設定したキーをおしながら操作すると、ポインターがゆっくり動きます。
「単軸移動」を設定しておくと、縦軸、横軸のみのポインター移動ができます。例えば直前に上下にポインタを動かしておいて、設定したボタンを押しながらトラックボールを動かすと、ポインターが縦軸のみで動きます。
スクロール
スクロールリングによる操作の設定ができます。
スクロールの速度、向きなどとともに、「慣性スクロール」も設定することができます。
マジックマウスやマジックトラックパッドなどでとても重宝した慣性スクロールですが、慣性でスクロールするのを止める操作ができないため、使いづらいものとなっています。
ですので、自分は「慣性スクロール」は設定しておりません。
必要に応じて、ウェブサイト端のスクロールバーを摘んで上下する方がやり易いように感じます。
3.オービット_トラックボールを使ってみての感想
時々動きが硬くなるトラックボール
macを立ち上げて使い始めようとしたときに、トラックボールが異様に重たい時があります。
そんな時でもあわてず、使っているうちに手の脂がトラックボール表面に移るのか、やがて軽くなります。
ゴミの詰まり
マジックマウスもマジックトラックパッドも、表面はガラスであり汚れにくく、またボタンのための隙間などもなく、汚れた時はウエスなどで拭けば良いので楽です。
一方、トラックボールのほうは、トラックボールについたゴミが、ボール下半分のほうに溜まります。
トラックボールの動きが悪い時は、ゴミが溜まっている可能性もあります。
オービット・トラックボール本体を裏返すと、穴が開いていてトラックボール表面がわずかに見えます。
ここに指を押し込んで、トラックボールを取り外し、時々穴の中を掃除してあげてください。
旧い型のマウスを思い出します。
これを使っていた時も、時々ボールを取り出してはせっせと掃除しておりました。
4.MagicTrackPad2からOrbit_Trackballへの移行
自分はiMac2009lateではマジックマウスをつかって、これにとても惚れ込んでいました。
その後iMac 5k 2017へ買い替えて、付属のマジックマウス2を使っていましたが、充電時にはコードをマウス底面に挿す仕様のため、充電中に使用できない不自由さもあって、マジックトラックパッド2を購入しました。
まさかのマジックトラックパッド2の故障
マジックトラックパッド2もとても優れものであり、とても気にいておりました。ずっと使い続けられれば良かったのですが、残念なことに故障してしまったのです。
マジックトラックパッドではクリック感をセンサーで表現しているそうですが、そのクリック感が時によって出たり、出なくなったり、というふうになってしまったのです。
それでも操作はできていたので、使い続けていたのですが、こんどはスワイプに支障がでて「戻る」操作ができなくなりました。
当時1万2千円前後でしたでしょうか。それなりのお値段がするので、散々悩んで購入したのですが、1年半過ぎた頃にこの不具合がでました。
再度マジックトラックパッド2を買い直しても、また1年半ほどで故障するかもしれないし、多機能マウスを使いこなす自身もありません。そんなとき頭に浮かんだのはトラックボールでした。それまでも、ケンジントンのスリムブレードなどに興味をいだき、実物を店舗で触れてみたのですが、いまいち操作した時の実感が掴めなかったのです。
5年保証
KensingtonのSlimBladeもそれなりのお値段がします。いろいろ検討していたときに選択肢として浮かんできたのが、お値段的には半額ほどのOrbitTrackball with Scroll Ringでした。
さらにKensingtonの「5年保証」が購入を後押しをしたのでした。
唯一の弱点|クリック音
MagicTrackPad2では、タップでクリックできるようにしておくと、クリック音などならず大変静かに操作することができます。
一方のKensington_Orbit_TrackBallでは、ボタン操作はそれなりの音がします。
自分はそれほど気になりませんが、人によってはこれは重要だと思います。
逆にクリック音が問題とならなければ、このOrbit_trackballはお勧めできます。
今でもSlimBladeが気になることがあります。しかし、自分はSlimBladeの4つのボタンをつかって割り振るような操作をすることもなく、スクロールリングも気に入っていて、SlimBladeの「トラックボール自身を回してのスクロール操作」に、もしかしたら違和感を感じるかも、と思ってしまうのです。
しかし、大きめのトラックボールによるポインター移動の操作感にはとても興味をそそられます。
逆に「4つのボタンによる6種類の操作割り当て」や「トラックボールの大きさ」などを求めない方には、このOrbit_TrackBallは強くお勧めできます。
2021.6
5.マイクロスイッチ交換で静音化
(追記)Appleマジックトラックパッド2の代替品として導入したKensington_OrbitTrackballでしたが、その後クリックの動作がおかしくなったので、これを機にマイクロスイッチを静音のものに交換してみることにしました。
5年保証を謳う同製品ですが、分解、改造などをすると保証がなくなると思われます。
そういったことも含め、自己責任でお願いいたします。
星形のネジ
このトラックボールのビスはみな星形です。
自分は星型のビスに対応したドライバーなど持っていませんでしたが、精密ドライバーを使って回しました。
良い子のみなさんはきちんと星型のドライバーを用意して取り掛かった方がいいかもしれません。
まずは底面の5箇所のビスを外します。1箇所はゴム足をめくった所にあります。
底面の5本のビスを外しトラックボールを開腹させたら、スクロールリング部分の3つのビスを外し、コード端子も外します。下の写真の赤いマイクロスイッチは交換済みのものです。オリジナルは黒色でした。撮影のために交換後のトラックボールを再度開腹しています。
スクロールリング部分を外したら、今度は基板を固定する4つのビスを外し、さらにUSBケーブルが繋がる端子も外します。
ハンダゴテ作業
基板だけで、何も繋がっていない状態にしたら、ハンダゴテを使ってあたらしいマイクロスイッチに交換していきます。
基板を裏返して、現存のマイクロスイッチのハンダを、ハンダ吸い取り線を使い除去します。
まずハンダゴテで基板を壊さぬよう、しっかりフラックスを塗ります。
温度を概ね370度程度に設定したハンダゴテを使い、ハンダ部分に吸い取り線
をあて、その上からハンダゴテを置き、溶かしたハンダを吸い取っていきます。

マイクロスイッチが外れたあとも、基板のスルーホールにハンダが残っていたら、再度フラックスを塗って吸い取り線で取り除き、綺麗にしておきましょう。

新しいマイクロスイッチの設置
あたらしい静音のマイクロスイッチをハンダ付けします。
基板のスルーホールにマイクロスイッチの脚を通し、ソレイドで軽く曲げて固定します。

スイッチを基板に固定できましたら裏返して、スルーホール周辺にフラックスを塗布。ハンダ付けをします。

ハンダ付けのあとに、フラックスが残り過ぎているようでしたら、フラックスクリーナーや、アルコール
を使い、キムワイプ
などで拭き取っておきましょう。
マイクロスイッチのハンダ付けが終わりましたら、分解した時の逆の手順で組み直せば、完成です。
コード端子の接続忘れにご注意ください(経験者は語る、、、Orz。)。
また、静電気をもつ手で、うっかりICにふれて壊してしまうことのないように、静電気防止手袋や静電気防止リストバンド
などを使うこともご検討ください。
電子部品交換作業につきましては、PC-8801|レトロPC修理の教科書のページで詳しく解説しています。
2023.8
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