ハクキンカイロ
実家の片付けをしていたら祖母が買ったハクキンカイロが出てきました。
祖母が嬉しそうにハクキンカイロを見せてくれた記憶が蘇ります。
早速つかってみることとしました。
- ■1.ハクキンカイロ|そのしくみ
- ■2.ハクキンカイロ|注油から使用開始まで
- ■3.ハクキンカイロ|長所と短所
- ■4.ハクキンカイロ|携帯袋
- ■5.ハクキンカイロ|総括
ーー 目次 ーー
・単純構造
・その性能
・オリジナル注油カップ?
・火で炙る
・低温やけどに注意
・短所
・長所
1.ハクキンカイロ|そのしくみ
単純構造
ハクキンカイロは、脱脂綿が入った本体、プラチナ触媒とガラス繊維の火口で構成されます。
本体の脱脂綿に含ませたベンジン(炭化水素)の気化ガスを火口のプラチナと接触させて発熱させる仕組みです。
その性能
0℃の環境下、25ccのベンジンで24時間つかうことができます。
商品ラインナップとしては「ハクキンカイロ・ミニ」「ハクキンカイロ・スタンダード」とあり、それぞれ最大の連続使用時間が「18時間」「24時間」です。
その熱量は使い捨てカイロの13倍です。
2.ハクキンカイロ|注油から使用開始まで
オリジナル注油カップ?
ハクキンカイロには注油カップが付属します。このカップにある目盛一つ分のベンジンで6時間使えます。
カイロの火口を外し、注油カップを逆さに差し込んで、そこにベンジンを注ぎます。
目盛を目安にベンジンを注いだら、カップを捻ればカイロ本体にベンジンが入っていく仕組みですが、加減して捻らないとベンジンが溢れてしまいます。
使い勝手が悪いので、自分は小さなペットボトルにメモリを入れて注油カップにしています。
これだと18時間分や24時間分のベンジンでも一回で注油することができます。
火で炙る
ベンジンは燃料ですが、ベンジンを燃やして温める訳ではなく、化学反応を始めるきっかけのために火を使って加熱します。
付属する取説の図解にはマッチで加熱する図、が載っています。火口に直接炎を当てないようにとのことです。自分は百円ライターを使っています。これで5秒ほど炙っています。
低温やけどに注意
熱量は使い捨て懐炉の約13倍、の文言はダテではありません。うっかり寝てしまうと低温やけどは必至です。
祖母譲りのこのハクキンカイロには布袋が付属します。現行品にはフリースの袋が付属しています。この袋に入れて使う訳ですが、場合によってはこれでも熱いかもしれません。
自分は布にまいてズボンやタイツなどに挟んで腰に当てたり、BUFFというネックウォーマーのようなものにいれて首の後ろに当てたりして使っています。
寒い日の屋外作業などではとても頼りになります。
3.ハクキンカイロ|長所と短所
短所
ハクキンカイロの短所の最たるものは「臭い」です。ハクキンカイロを使うと独特の臭いがします。
屋外で使うぶんにはいいのかもしれませんが、事務所や家庭内ではその臭いに苦情が出るかもしれません。
あとは消耗品である「火口」と「ベンジン」の販売店がお近くにあるかどうかです。もっとも通販で買うこともできますが。
ベンジンは、ハクキンカイロ指定のものを使ってください。強力な熱量を体験できます。
また使用中に落とすと、その衝撃で火口が外れることがあります。そうすると再度火で炙らないと発熱しません。
長所
かさばって、使い切れないと場所をとる使い捨て懐炉と違い、ベンジン1本と本体でオフシーズンもコンパクトにしまっておけます。
カイロの使用回数が増えれば増えるほど経済性が際立ちます。注油量で使用時間を調整できるので、ベンジンの無駄遣いも抑制できます。
発熱量がだいぶ落ちるけれどもホワイトガソリンでも使用できるという話を聞き、試して見ました。
もしホワイトガソリンで使えるのならば冬山登山などでガソリンストーブを使うので、その燃料を併用できます。
しかし残念ながらその発熱量は指定ベンジンに比べて大ぶん落ちました。
特に極寒環境で使用するには、その性能を十分に発揮できる指定ベンジンですね。
自分が一押しするガソリンストーブの記事はこちらから ↓
4.ハクキンカイロ|携帯袋
何シーズンか使ってきた携帯袋ですが、祖母が1970年代に購入したものなだけあって、破れてきてしまいました。
最近のハクキンカイロに付属する携帯袋はフリース製で丈夫そうですが、携帯袋だけでは販売していないようです。
しょうがないので、以前ペットボトル飲料についていた景品のフリース袋を代用していました。
しかし、これも使い勝手が悪いので、靴下を使って携帯袋をつくってもらいました。
PIXA3のページで述べたように、自分は、古くなったザックなどの登山用品を破棄する際、ストラップなど使えそうな付属物はとっておくのですが、そんなようにしてとっておいたドローコードが役に立ちます。
もしドローコードなどを買い求めたければ登山用品店などでも取り扱いがあります。
5.ハクキンカイロ|総括
ハクキンカイロ株式会社の公式パージで紹介されていますが、カメラの露、霜取りにもつかわれています。今では電池式のレンズ・ヒーターがあるようですが、極寒の厳しい環境でしたら単純構造のハクキンカイロのほうが使い勝手が良いように思うのは、ひいき目が過ぎますでしょうか。
火口をシーズン毎に取り替えるだけで、単純構造の本体はずーっと使えます。愛着をもって使い続けられます。
ハクキンカイロは歴史あるものなので、オークションサイトなどでいろいろ出品されています。昔の製品をコレクションして楽しむもよし、ハクキンカイロを入れる袋を作って楽しむのもよし、です。
しかし、一番強調したいのは「懐炉」としてのすぐれた性能です。
もしハクキンカイロに興味が湧きましたら、寒い季節に是非一度試して見てはいかがでしょうか。
2019.12